CRE(Corporate Real Estate)とは、企業が利用するすべての不動産を指します。CRE戦略とは、企業価値の最大化を目的として、経営的観点から構築された不動産戦略のことであり、経営戦略の一端を担うものとなります。
バブル以前の、「土地が最も有利で安全な資産である」という「土地神話」の時代と異なり、現在の不動産には、価格変動リスク、土壌汚染リスクなど様々なリスクがあることが認識されています。また、減損会計の導入等、会計制度の変更により、不動産マーケットの動向が直接企業経営に影響を与えるようになってきています。
2005年 | 4月 | 固定資産の減損会計完全実施 |
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2007年 | 4月 | SPC開示対象の拡大 |
5月 | 会社法(三角合併部分)施行 | |
9月 | 改正信託施行 - 自己信託制度の創設 (自己信託部分は施行後1年間運用禁止) 改正証券取引法(金融商品取引法)施行 |
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2008年 | 4月 | 金融商品取引法(内部統制部分)施行 棚卸資産(販売用不動産)に対する低価法適用 リース会計基準変更(ファイナンス・リース取引のオフバランス基準厳格化) |
2009年 | 1月 | EU上場企業に対する国際会計基準義務づけ |
4月 | 年度末財務諸表における賃貸等不動産(投資用不動産等)の時価等の開示の適用 | |
2010年 | 3月末 | 一部企業の国際会計基準(IFRS)任意適用開始 |
4月 | 年度末財務諸表における「資産除去債務に関する会計基準」の適用開始 | |
2012年 | - | 国際会計基準(IFRS)の強制適用是非の判断 |
また、当研究所の顧客企業に対するアンケートによると、ほとんどの企業がCRE戦略への早急な対応の必要性を感じており、企業価値の向上と遊休資産の活用が大きな動機となっています。なお、CRE戦略上の課題としてマンパワーと関連情報の不足が挙げられています。
国土交通省では、CRE戦略の動向が国土の利用のあり方に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、CRE研究会を設置し、CRE戦略の普及・推進のためのガイドライン及び手引きを作成し、同ホームページ(http://tochi.mlit.go.jp/tocjoh/CRE_index.html)において公表しています。
当研究所はCRE研究会の事務局を担当し、ガイドラインと手引きの作成にあたって重要な役割を担いました。